兵庫助、初めての敗北―――
真の先を取る仕掛けに誤りはなかった。
なのに何故負けたのか…何が悪くて打ち込まれたのか…
新章突入!! 待望の第四巻ついに登場!!
様々な人々との出会いが、兵庫助の剣技を新たな高みへと導く――
己の未熟さを痛感した兵庫助は、侍大将の地位を返上し、加藤家を去った。
伊賀忍者の木猿と千代を連れ、廻国修行の旅に出た兵庫助は、小倉へと赴き、祖父・石舟斎の兄弟子にあたる疋田豊五郎のもとを訪れる。
そこで、兵庫助を待っていたものは新陰流三世となって初めての敗北であった……
水月口伝―――心法に形なく、十方に通貫す。水中の月、鏡裏の像。
「武者を好まば小やなぐい、狩を好まば綾藺笠(あやいがさ)、捲りあげて、梓の真弓を肩にかけ、軍(いくさ)あそびをよ軍神(いくさがみ)」
◆目次◆
第二十二話:暇乞い
第二十三話:疋田豊五郎
第二十四話:直立ち
第二十五話:伯耆国の内紛
第二十六話:五郎右衛門の決意
第二十七話:軍神
第二十八話:富田流小太刀の技