あんたのこと、嫌いだから。
通信制高校の生徒が企画した偽物の修学旅行。
参加者は3人の男と1人の女〈ハル〉。
彼女の失踪が終わりの見えない旅の始まりとなった。
日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞受賞
注目の作家が仕組んだ迷宮
青春を偽装する修学旅行中、女生徒は失踪する。
参加した者たちの心に、さざ波を残して。
通信制高校に通う夏彦は、生徒たちで自主的に企画したニセモノの“修学旅行”のために新潟を訪れる。
他の参加者は、気怠げな女生徒・ハル、髪を染めたお調子者の秋生、理知的で落ち着いた冬吾。リアルでは初対面だが、それぞれの役割を演じながらアクティビティや研修を通じて、共に過ごす時間を楽しむ様子を見せる4人。
しかし、2日目の朝、夏彦たちが目を覚ますと、ハルは消えていた。「あんたのこと、嫌いだから」――夏彦の心の傷も、コスプレのような制服も、くたびれたバッグも、すべてを残して。
やがて、10年が経った。参加者がそれぞれに旅の記憶を紐解き、ハルの失踪の真相、そして“修学旅行”が企画された真の目的を知るとき、逃れざる悪意が浮かびあがる。

