ある日の出勤時、オフィスビルのエレベーター内で見知らぬ男性のお腹が鳴る音を耳にした雪乃は、持ち前の面倒見の良さを発揮して持参していたお菓子を差し出してしまう。当然、男性は戸惑いを見せた。他人から渡された食べ物なんて怪しすぎる。慌てた雪乃は自身の入館証を彼に見せ、怪しいものではないと弁明だけして、その場から逃げ出した。数日後。いつもと同じように出勤した雪乃は、例の男性と再会する。彼は雪乃を見るやいなや、跪いてこう告げた。「君のすべてが愛おしい。結婚してくれ」 名も知らぬ他人からプロポーズ!? 混乱しつつもお断りする雪乃に対し、彼は「知らないというなら知ってほしい。過去も現在も未来もすべて」と頑なに引こうとしない。こうしてこの日以来、彼――デザイン事務所社長・樫原拓斗は雪乃に付きまとうようになる。純粋なる好意か、なにか裏があるのか。その真意がわからないまま、彼のペースに巻き込まれていく雪乃は……。
