｢おふろどうぞ｣のレビュー・感想

子持ち50代に告白される女も、女性になりたい父親も、みんな毎日お風呂に入る。
辛いことや生きづらい悩みも、お風呂に入ればキレイさっぱりリセットできるよな気がしてしまいますよね。
「おふろ」というキーワードを混ぜ込みながら、様々な環境で生活する人々のドラマを描いたこの作品。
心がホッとしたり、切なくなったり。
トランスジェンダーの父親が女性へと変わっていく事に混乱する子供と元ヨメの回が、「ボーダー」という作品に通じているので特にチェックしてほしい所。

渡辺ペコ先生が持つ、独特の『間』の取り方を思う存分楽しめる一作◎
まるでお風呂に入っているときのような、ふわふわと揺蕩うそれぞれの結末に、惹き込まれます…！日頃ため込んでいる色んなストレスを、お風呂でまったりと消化しちゃえそう♪

お風呂に入る。一人暮らしだと、機械的にさっとシャワーで終わらせますよね。この作品読んで、そういえば家族と一緒に湯船につかることがなくなって、昔は姉妹や親と入ってなんか楽しかったなって思い出があふれてきます。手ぬぐいでバルーンを作ったり、100数えたり、手で水鉄砲みたいにしたり…お姉ちゃん専用のシャンプー使って怒られたりとか…。
そんな日常の中にあったぽかぽかしたものを思い出せてくれる…うう、染みます。