｢ヒロイン失格｣のレビュー・感想

『ヒロイン失格』のタイトル通り、好きな人の幼馴染という超美味しい立ち位置にありながらも、なかなか振り向いてもらえない派手めなギャル女子高生が主人公。
幼馴染男子が選んだのは、少女漫画の主人公にありがちな地味で性格のいい女子。この子がほんとにいい子だから辛いというか、勝ち目が感じられないというか…。損することも多いけど、ひたすらまっすぐな主人公の恋路を全力で応援したくなるラブコメです。

少女マンガで“幼馴染”というワードが出てくると、「どうせ最後には幼馴染同士でくっつくんでしょ」と何となく先の展開が読めてしまいがち。この『ヒロイン失格』も主人公が幼馴染に対し、密かに思いを寄せているという展開からスタート。最初は「よくある展開でしょ？」と感じるのですが……。いやいや、別の女と付き合っとるやないかい！
そんな良い意味でこれまでの少女マンガの定番を壊してくれたこの作品。果たして最後に結ばれるのは思いを寄せる幼馴染か？　それとも自分を思ってくれる超絶イケメンか？
ちなみにキャッチコピーは「私を好きな人か、私が好きな人か」。私も一度で良いからそんな三角関係で悩む人生を送ってみたかったよ。

ジャケ買いして良かった作品のひとつ。そして結末が自分の希望で終わるかどうかは、日ごろのお行いにかかっていると言っても過言ではありません。
映画化にもなった作品で壁ドン代表作でございます。表紙や見た目は正統派っぽい恋愛マンガですが、中身はラブコメなので力抜いてさくっと読める。時たま出るヒロインの稲中のような表情がとても好き。

主人公・はとりと利太、二人の出会いは小学３年生。幼なじみの男の子をめぐるライバルとの山アリ谷アリの青春マンガです。「恋愛のヒロイン」を目指すはとりにエールを送りつつ、つい自分の過去を振り返ってしまいます。
利太を振り向かせるためあの手この手を使うはとりをみては、カラッと笑える学生恋愛マンガ。はとりのように、たった一人の彼専用ヒロインを目指したいなら必読です！

青春時代の一途って、多分最強ですよね。これこそ青春！！タイトル通り、これまでのヒロインとはちょっと違うんですが、はとりちゃんの一生懸命さとかまっすぐさとか、好感が持てすぎてキュンキュンします。お相手の利太は高校生特有のふわふわした男子ぶりが見えますが、このバランスが青春ってこうなのよね…って妙に納得感が出ます。
読むたびにこんなまっすぐに人を好きになったのっていつだっけ…ってちょっと切なくなる作品です。

いいなあ…。これこそ青春！と思わせてくれるマンガです。
まず主人公、つまりヒロインがいい！『ヒロイン失格』とタイトルにもあるように、これまでのヒロイン像とはちょっと違うんだけど、可愛さ、一所懸命さはザ・ヒロイン。
5年間の片思いをしているんだけど、その一途さにキュンときます。
このマンガを読んで、一途に人を想うっていいなあ…私もしてみたい！って思いました。