｢ワンパンマン｣のレビュー・感想

どんな敵もワンパンチで倒してしまう主人公。強くなりすぎたゆえの虚しさを抱えている姿をみると、お互いを高め合える強い敵って大切な存在なんだなと思わされます。
登場するキャラクターは個性豊か。主人公を師として過剰に尊敬しているイケメン金髪サイボーグと、強くはないけれど純粋な正義の心を持つ無免ライダーが私の一押しキャラクターです。
綿密なイラストと迫力の戦闘シーン、ギャグの中に散りばめられているちょっと泣けるエピソードなど、読み応えたっぷりの作品。

ワンパンマン。勇気のいるタイトルだったと思います。代表的な作品に似せたタイトルですから当然売れなければ炎上する世の中。
当時「プっ、ワンパンマン好きなんだ」なんて言われていたような気がします。ですが今やモブサイコに並ぶ勢いのWeb発の代表マンガです。人間くさいヒーローものが好きなら必読です。
そして世のサイキック系の主人公がフツメン設定なのはこの作品の影響のような気がしてなりません。

趣味でヒーローをしており、ワンパンチですべての敵を楽してしまう最強の男サイタマが主人公の本作。
めちゃくちゃ強いヒーローなのに、そこはかとなく漂う諸民臭に親近感沸きまくりです。どれだけ無敵で最強のヒーローであろうとも、モテるとは限らないし、ごみの日以外にごみを出したら怒られるのです。
「ヒーローって大変なんだね、お疲れ様」と声をかけたくなる新しいヒーロー像を提示した一作です。

もともとはwebで掲載されていたマンガ。
あまりにも強くなりすぎた主人公、サイタマが繰り広げるヒーローものの作品です。
特筆すべきは、何と言ってもサイタマの圧倒的な強さ。
主人公がライバルたちと切磋琢磨しながら、強くなっていくヒーローものはよくありますが、サイタマはもはやライバルすらいない、文字通り"ワンパン"ですべてを無に帰す理不尽な強さなのです。
この理不尽な強さに思わず笑いが漏れてしまう、新進気鋭のギャグマンガです。

強いヒーローはかっこいい！　でも強すぎるヒーローは？　もしかして…面白い？
本作の主人公は強くなりすぎて、どんな敵でもワンパンチで倒してしまうという男、「サイタマ」。毎回あっさり倒しすぎてヒーロー感が薄すぎる！　やはりヒーローは苦労して戦ってこそ、死にかけてこそヒーローなのか？
ヒーローとは何か…と考えさせられつつも笑えるマンガです。