｢フルーツバスケット｣のレビュー・感想

私が中学くらいのときに学校でブームになっていたフルーツバスケット、通称フルバ。
実はリアルタイムには私は読んでいないのです。当時は「快感フレーズ」とかを読んでいた記憶があります。
大人になってから、「そういえば友達がフルバを読んで授業中に泣いてたな〜」と思い大人買いして読んでみました。予想どおり、面白い！感情移入して私も泣いてしまいました。

何年も前の作品ですが、あらためて読み返してみると、気軽に読める少女マンガにも関わらず、格差社会とは？家族とは？正義とは？そういったことが根本から考え抜かれたマンガです。
主人公の透は、ビンボーテント暮らしだったのに、家事スキルを買われ草摩家に住み込むことに。でも草摩家には不思議な呪いがあり……という、一見ファンタシーなお話。でも裏側には、格差社会が描かれ、そして隣にほっと一息つける人がいる幸せが描かれています。

設定はファンタジーなのに、人間の醜い部分やひた隠しにしたい部分に切り込んでくるフルーツバスケット。
少女マンガでよくここまで心えぐりますね…と、戦々恐々としたフルバ。
正直ラストへ向け、巻数が上がってゆくたびに恐怖だったのですが、見事に素晴らしいラストを飾ってくれました。
いつ読んでもその時に受け取るメッセージが変わる、何度も読み返したい名作です。

まだ読んでいない？シンプルに人生の損失です。
多くの女性をメンヘラになるほど涙の渦へ叩き込み、そして救済してきた伝説のベストセラー。
時折挟まるギャグのおかげで、鬱すぎない作品になっています。どんな屈折した人間も救ってしまう女神のような主人公、透（とおる）ちゃんに癒されてください。

両親に旅立たれ、テントで野外生活をする透と、異性に触られると十二支の動物に変身してしまう草摩家のファンタジー長編作品。
姿が変身してしまうだけではなく、それぞれの内面にも問題を抱える草摩の人たちが透と関わることで変わっていきます。
最初はコメディ色も多いのですが、後半はわりとドロドロもあったりして、まさに涙あり、笑いあり、ミステリーもあり、といろんな要素がたくさん詰まっていて一度読み始めたら止まりません…。人生ベストに入る一作！