｢モンクロチョウ｣のレビュー・感想

『幼馴染の思い出』というマンガでは美しく甘酸っぱく描かれがちなモチーフをよくもここまで汚れ感出せましたね…と言わんばかりのストーリー性で、絶妙に嫌な気分になるんですが、途中で止めるとかは絶対無理で、なんなら…たまに気になって読みたくなるという不思議な作品です。心の中って常に整理されてはいなくて、ぐっちゃぐっちゃになって、なんかもう全部どうでもいいってなった時とちょっとシンクロする感じが刺さる…そんな作品です。

自分はモテないはずはないとか、下に見られたくないとか、新しい高校生活で似たようなことを考えてたと思うと途轍もなく恥ずかしい黒歴史を一緒に見ているようで、ちょっと苦しくなりました。本作はリアリティがないとか賛否わかれる作品ではありますが、本質的な部分でどうダメな自分と向き合って成長できるのかというテーマに自問自答してしまいます。
ありえない話だけに考えさせられるマンガでした。