｢隣のあたし｣のレビュー・感想

学生時代に、南波あつこ先生の作品が好きすぎて、友人たちと一緒に「このシーンいい！」とキャーキャーしたのはいい思い出です。
仁菜と1コ年上の京介はマンションお隣同士で、家族同士も仲が良く、毎日の登校も一緒のほど、仲良し。ずっと京介の彼女になるのが夢で純粋すぎるほど、ピュアな仁菜ですが、ライバル出現でピンチ…!?
3巻の球技大会のシーンで、仁菜が練習の成果を発揮して奮闘するのですが、頑張りすぎて怪我をしてしまうのです。何事にも一生懸命な仁菜の涙にもらい泣きしてしまいました。仁菜の揺れ動く心情が繊細に描かれており、楽しいことも悲しいことも、共感が止まりませんっ！

1位はヒロインの恋敵・麻生結衣子。
久しぶりに「こいつ…ホント嫌い…」と口をついて出てしまいました。
報われない思いとか、1人になりたくないとか、そういう気持ちがどうにもならなくて恋愛に依存するのはわからなくないけど、それは相手がそんな自分でも好きな時じゃなきゃ許されない思うのです。相手の幸せを無視どころか妨害までするのは許せん！
鼻息荒くなりましたが、こんなに感情移入できてしまう面白い作品ですよ。はい。

このテーマの切り口で紹介すると、すぐネタバレさせそうなわたしです、こんばんは。
誰とは言いませんが約束された敗者の当て馬感が凄いのです。設定は王道のお隣さん同士。そしてベランダ越しに会話できる部屋配置。
長年少女マンガ読んできましたが、これほどに助演男優賞を個人的にあげたいと思った作品は後にも先にもこの作品くらいかもです。

片想いを続ける女のコのピュアさを感じることができる一作。女の子が初恋を知り始める頃の「恋に恋する気持ち」、ふとした風で揺れてしまう「好き」が描かれています。 こんなことあった！ と昔を思い出してしまいちょっと苦しくなってしまいました。
今はちょっと恋心を休ませている人、ピュアな気分で恋をしたい人が「恋する気持ち」を思い出せるエナジーになること間違いなし。