完結とあるが完結じゃない!(現在四巻目読了!)
上下巻で完結だったところ、各方面からの要望が大きく、三巻目からの第二章に突入した…ということなんだろうな~。
序盤では、喬くんが、西央くんを守るためだけに、知恵を働かせ行動し、時には嘘も付いてごまかし、高校生が出来るであろうありとあらゆるものを使って限界まで頑張っている姿が良かった!
普通の高校生男子が、いわゆるヒート期間をやり過ごせる場所を見つけるのは大変なことで、上下巻ではどうにか確保出来た場所が、三巻目へと進んでいくにしたがって、自分たちだけではどうにも解決できないということを知る。
今後、良き理解者(味方)になってくれそうな喬両親を巻き込み、お話がどう展開するのか…先々が興味深い。
そもそも、現代高校生に見える喬・西央は、『人類初のαとΩ』という役割を振られたけれど、彼らにも周りの人々にもその生態はまるで謎で未知という現状なわけで、喬・西央は自分たちの身に起こる事象を、今後、一つ一つ手探りで解決して行かねばならない…。彼らが本物のエデンに行きつけるのかどうか、これからの道筋には様々な障害と葛藤がありそう…。
オメガバ物というと、ある程度のお約束を理解して取り掛かるが、この本は、『人類初のαとΩ』の誕生とその後を、読者に目撃させることを一つのテーマとしているので、読者は、これまでに持っていた個々人のオメガバ設定に柔らかく切り込まれてくるのを感じるだろう。ちゃんと完結したら、オメガバ物BLという漫画娯楽本の範疇を超えて行きそうな予感がする!
なお。フェロモンの描かれ方がとても繊細で素敵!これに当てられたらそりゃ堪らないだろうな~という喬の気持ちが、読者にも良く伝わってくる描写力!
喬・西央がお互いに抱く高校生男子の嫉妬心も可愛くて可愛くてたまりませんw