｢パレス・メイヂ｣のレビュー・感想

架空の近代国家、豪華絢爛な宮殿「パレス・メイヂ」。
明治を彷彿とさせる時代背景が、ストーリーの世界観を支えています。
その最も高い身分に位置するのが女帝・彰子様。軍服を着こなし、若く美しいそのお姿に見惚れます。
そんな陛下のもとに仕えることになったのは、良家の息子・御園。
彼は身分の違いにも物怖じせず、真っ直ぐ彼女に向き合います。
身分は違えど普通の女の子と男の子、それが垣間見える瞬間がたまりません！
彼らがどう成長していくのか、ラストまで目が離せません。

少女マンガ史に残る傑作であると言ってまったく差し支えないでしょう。
しかしながら、その知名度はというと非常に物足りなさを感じます。
もっともっと評価されて然るべき作品。だからこそ、最終巻が出た今こそこの作品を強くオススメしたいです。
7冊というコンパクトな長さで、最上級の物語を過不足なく味わえます。
王道を気持ち良く読ませてくれる筆力に脱帽。久世番子先生の今後も楽しみです。