人を信じられない彼女は、自分も信じられないでいるから
いわゆるプチレンタル彼女。傷ついたのは母親の暴力のせいで、顔だけでなく心も傷付いているから誰も、自分さえも信じないで宙に浮く心。凍ってしまったかのように心は動かずに、レンタル彼女としては最高に演じ切る女優のように、自分の本当の顔だけでなく、心も隠すことで「年頃のなりたいかもしれない自分の分身」を演じる姿は、自分でも気づかない自分さえ化粧で隠してなり切る姿は痛々しい。彼女は本当は頭もいいから、自分のしている事がいつか破綻する事も分かっているから、本気の客からは逃げる。本気の相手には自分を映す鏡の醜さを知られたくない。そんな相手に本気になったらどうなるのか怖い。
人間の表面の美しさはお化粧で化けることで騙される男の欲を下に見ることで保つバランス。化粧で化けなければいけない自分の顔の傷とが、ある意味「どちらが本当に醜い?」とさえ思っていそう。彼女の頭の良さから逆に、苦しむところを、「お客」と言う自分を商品とする事で、バランスを保ちながら相手のプロファイリングをしてメモする。危険回避の彼女の方法だと思う。
自分に対しての優しさ寂しさは跳ね除けるから、仲間の苦しみも分かっても、自分を安くは売らないプライドもある。
彼女がいつか本当の彼女となれる人と出会い、本当の笑顔を見れる最期を見てみたいと思いつつ、彼女はずっと【演じ続ける女優のレンタル彼女】でうその笑顔を浮かべて終わるのもありそうだと思いました。