｢ラストゲーム｣のレビュー・感想

「好き」という感情を知らない人間を好きになっちゃうと、本当に大変！そもそも好きって言っても通じないんだろうなあ、というもどかしさがあるものですが、そんなはがゆさが読み応え満点です。この作品では片想いをしているほうも、プライドが高くてなかなか大変。そんな難ありキャラクターたちが「好き」を知っていく過程が丁寧に描かれていて、両想いになった瞬間は「クララが立った！」ぐらいの感動があるかも。

今回のヒーローさんは、顔より頭よしのお金持ち。ただし恋愛下手なのだ。ポッと現れた転校生の女の子は自分より頭がよく運動もできる。
はじめて味わう敗北にプライドをかけて勝負を挑んでいるうちに、クールな彼女を追いかけるというなんとも応援しがいのある愛すべきキャラクターなのです。
「あの女ぜってーーー負かす！！そして泣かす！！」これがなんとも面白い。ムキになればなるほど可愛いという。

お金持ちのイケメン男子と地味な転校生女子の…「あーはいはい、聞く前に展開読めたわ」と思ったみなさん、甘いですよ！！！
ぜんっぜん恋に落ちませんから。なんてったって、二人が出会ってから5年経っても10年経っても「友達、というほど仲良くもない」って言われちゃいますから！
もどかしいとかそういう次元を遥かに超えている作品です。