｢天然コケッコー｣のレビュー・感想

違った環境で育った2人が、自分にはない新しい魅力を持つ相手に惹かれていく。
「都会から田舎に転校してきた相手に恋をする」という設定は恋愛マンガにおいて定番の一つですが、その設定の人気を位置付けたのが映画化もされたこの作品。
そこに、のどかな自然の中で生まれていく青春模様が相まって、普通の高校生としての恋や生活がとてもピュアで美しい物語に見えるのです。
これを読んで感じる感覚を、いつまでも忘れたくないなと思わせてくれる名作。

田舎と都会ってどっちが住むのに適しているんでしょうか？どっちが好きですか？
田舎に住んでいる人は都会に憧れ、都会に住んでいる人は自然の多い田舎に癒される。結局、自分とは違ったものに惹かれるのかもしれません。
『天然コケッコー』は田舎に転校してきた都会的な男の子と、純粋な田舎の女の子、正反対の男女が恋に落ちる話。
最初は反発し合っていた二人が惹かれあう様子がリアルに描かれています。

四季がたくさん移り変わる作品ですが、特に「田舎の夏」の描写が印象的です。廃校間近の学校、コンビニもない村、お店といえば駄菓子屋のみ。
そんなノスタルジックな雰囲気漂うド田舎で繰り広げられる、小さな小さな恋愛模様にキュンキュンさせられてしまいます。
田舎出身者からすると、噂のまわりが早いところなど共感できる部分がたくさん！　それでも「田舎っていいなぁ」と思えるような素敵な内容になっています。