癒された。
初めて中島ベガさんの作品を読みました。
ずっとずっと★5つつけたくなる作品がなかなか無くてレビュー書いていませんでしたが久しぶりに書きたくなる作品でした。
先に辛口からいくと、完成度でいうとまだまだ発展途上な感じはありますが、そこがまた個人的には良かったですし今後にも期待を持っての評価です。タイトルもイマイチな感じで正直あまり期待せず入ったので予想以上に良かったというところはあります。
続けて他の作品も読ませていただきましたが、タイトルのテイストがどれも似ていますよね。あえて似せているのかもしれませんが。
しかしそんなタイトルなんざどーでもいーくらい主役2人が大変、とても、めっちゃ、すんごい良かったです。
昨今(昔からではありますが)主役に何かしら環境や性格に特徴があるとストーリーが展開しやすいのでやや日常離れしたキャラクターが多いです。でも過去レビューを書いたLDKもそうですがやはり私はどこにでもいそうな女の子を丁寧に描いた物語が好きです。
この物語の主人公さくらも、クラスに1人はいるような凄い地味でもなく凄い派手でもなく真面目だけどズバ抜けて秀才というわけでもなく美人でもない。そんな主人公を見事に愛情を持って描きキチンとキャラの立ったヒロインになっているところが素晴らしい。
主役2人がいい子で可愛くて。その笑顔に台詞に何度も癒されました…
1970〜80年代の陸奥A子さんの漫画を彷彿させるような優しい絵と終始温かいストーリー展開に懐かしさも相まって…
2巻と短い物語でしたが充分メッセージ性のあるお話だったと思います。
葵央くんの中学時代を描いたサイドストーリーの中で、初めて告白してくれた女の子と付き合ってみたもののしんどくなって別れ切り出すシーン。彼女に「好きって言ったじゃん!」と言われたのに対して葵央くん「いや、好きだけど広島カープくらい…だった」ってセリフがツボりました。
勿論熱血なカープファンではなく、むしろ野球少年でもありません、サッカー少年だけど、まぁ野球も好き…
カープくらい好きって表現が的確過ぎて、凄い納得させられて…感動すらしましたわ。
男なんて、まして中学生なんてそんなもんでしょうね。
過去の自分の恋愛にも重なって、少し泣けたしな。私はとても好きだったけど、きっとあの元カレにとっては私も葵央くんのカープレベルだったんだろなって。せつな!泣