目に見えない障害の苦しみが少し癒されます
37歳の夏に発達障害の診断を受けました。
既に人格、考え方の癖や二次障害の鬱を誘発させるストレス要因等が固まってしまっており
「メモを取る時間を取ってもらう、分からず不安になる事は訊いて確認する、朝にその日のスケジュールを必ず確認させてもらう」という事位しか対策はないと心理の先生に言われましたが
それは既に就労訓練の場において自分が苦労を重ねる過程でやるようになっていた事でした。
支援員さんには「なるべくメモに頼らずやれるようにしないと」と言われたり「あまり色々な配慮を求めるとすごく手のかかる印象になるから面接では最低限の事以外言わないように」と指導されました。
その指導に従い『見るだけや聞くだけで覚える事が苦手なので仕事を覚える際にメモを取る時間をください』とだけ伝えて通った職場ではとても忙しくメモを取る時間もなくてようやく隙間の時間ができて書こうと思った時には頭が真っ白になっていて書けないという場面が重なり一週間で食事も睡眠も取れない状態になって簡単に辞めてしまいました。
今は幼い時から障害が分かって養育プログラムもあると知り、羨ましいな、大人になってから診断を受けた者はただただ損をするしかないんだなと思っていましたが、この作品を読んで
どんなに早く判明しても周囲の人や支援者の無理解に苦しむ場面があること、逆に少しでも理解しようとしてくれる人ができると大きく前進できる事などは一緒なんだなと少し心が楽になりました。
頑張っても頑張っても、大事な場面での相談員の当たりはずれで大きく違ってしまうという小学校進学の場面は自分の相談機関とすっかり重なってしまって苦笑してしまいました。
これが作家の方の取材で出てきたのだという事は
私だけが冷遇されているのではなくて本当にどこでもよくある例なんだろうなと分かって
「どうして私はこんなに支援者に好かれないのだろう。どうしたら支援者の好む障害者になれるの?」とモヤモヤしていましたが自分が自分を信じて努力していれば良いんだと少し生き続ける勇気が出てきました。
読んで本当に良かったです。同じように見えない障害に苦しんでいる人にお勧めしたいです。