家族の形にもさまざまありますが、本人たちが幸せなら他人が口を出すのは余計なお世話なのかもしれません。たとえ、家族の誰かが人間じゃなかったとしても……。
ちょっと変わっているけど温かみを感じられる家族を扱ったマンガ達を紹介します。
中学1年生の織原心は、友だちにも本音を言えずに家に呼ぶこともできずにいる。その訳は、パパの再婚相手にあった……。
新しいママの「サラ」は、しゃべりも動きもしない人形なのに、パパには愛する女性に見えるらしいのです。ありえない設定だと思いつつも、パパのために人形をママとして接しようとする心と弟の姿がいじらしいです。
どこかいびつな家族だけど、こんな形もありなのかもと思わせてくれる作品です。
3年前に母を亡くした中学3年生の山下トモは、父と祖父との3人暮らし。母の死後、父はショックのあまり引きこもっています。そんなトモ達の前に現れたのは、死んだはずの母……ではなく知らないおじさんでした。
ママを名乗るおじさんを怪しみながらも、少しずつ受け入れていく山下家の人々。コメディタッチで描かれてはいるものの、薄毛で小太りのおじさんに変化したママの心の内を思うと、切なくなってしまいます。
小学生のももかは4人家族。美人な母と姉、そしてハシビロコウの父がいます。
父をハシビロコウとして認識しているももかたちに違和感を覚えますが、読んでいるうちに「こんな家族もあるか」と納得してしまうから不思議です。息子に憧れを抱いたり、熟年離婚を心配したり、おとうさんの”人間くささ”にほのぼのとさせられます。
中学生のヨタは一人暮らし。でも実は、一人ではなく妖(バケモノ)の家族と一緒に暮らしています。
妖を怖がることなく、人間と同じように接するヨタに感心し、ヨタを家族として守る妖たち。袋狢の兄や女郎蜘蛛の母、かまいたちの妹など、賑やかな家族に囲まれたヨタですが、大人になれば妖のことは見えなくなってしまうのです。
妖にとってヨタの成長はうれしくも悲しいものなのかもしれません。
原平トンボは小学一年生。亡くなった警察官のママに会いたくて、毎日泣いてばかりいます。ある日、ママが使っていたメガネをかけたトンボの目の前に死んだはずのママが現れて……。
泣き虫のトンボが母と一緒に事件を解決していきます。話が進むにつれてどんどんたくましくなっていくトンボの姿に、ママ目線でほろりとさせられます。