思わずうなってしまうかも?登場人物の心情がリアルに描かれたマンガランキング

繕い裁つ人
にこたま
Sunny

ドラマッチックな要素を盛り込んだファンタジーもいいけれど、ときには日常の小さなできごとに傷ついたり、喜びを見出したりできる作品をじっくりと読み進めたい。キャラクターの心の機微を見事に描いたマンガたちをご紹介します。

繕い裁つ人池辺葵

手頃な値段で買える服が量産される社会とは反対に、オーダーメイドの服をつくりつづける。洋裁以外は苦手なことの多い市江が職人のようにストイックにカタカタとミシンを踏む姿は、天職であると同時に孤独も感じさせます。新しい挑戦への恐れや憧れ、今の状況を変えるべきや悩む市江の姿は、女性が抱える仕事や将来の悩みとリンクすることでしょう。

にこたま渡辺ペコ

アラサーカップルのあっちゃんとコーヘーは、仲はいいけど、結婚などの具体的な話は出ていない。恋人と長く付き合えば付き合うほど、次のステップに移るタイミングや気持ちをどう持っていくかがわからなくなってしまうもの。アラサーになると否応なく考えることを迫られる結婚や妊娠・出産。それらがあっちゃんの心に染みのように広がっていく様子は見ていて痛々しく、読み進めるのがこわくもなります。

にこたまの画像

Sunny松本大洋

事情により、親と離れなければならない子どもたちが暮らす星の子学園が舞台。悲しいことや嫌なことがあっても、庭に置かれた動かない自動車「サニー」に乗って目を瞑れば、行きたい場所へ連れてってくれる。ニベア缶を肌身離さず持ち歩いたり、爪を伸ばし続けたり…子どもたちの母を求める姿に胸をしめつけられます。作者の子ども時代の体験を元に描かれたという事実にも納得です。

すみれファンファーレ松島直子

両親の離婚を経験し、母と暮らす菫が父と再婚相手が暮らす家に遊びに行くところから物語はスタートします。終始にこにこして、再婚相手とも仲良くできる菫。寂しさを胸の奥にしまって元気にふるまう菫の姿がとてもいじらしいです。物語に登場するキャラクターたちの心が温かく、読んでいると家族や身近な人に優しくしたいと思えるかも?

アゲイン!!久保ミツロウ

高校時代について聞かれて「楽しかった!」と一点の曇りなく答えられる人はどのくらいいるのだろう?
 高校生活の3年間、誰とも関わらずに過ごした金一郎は3年間にタイムスリップして応援団に入団し、高校生活をやりなおすことに。美人だけど不器用な女団長・宇佐美と女の武器を使って応援団を潰そうとするチア部の部長・アベタマと対比も見どころの一つです。