読書の秋に読みたい!読書や本をテーマにしたマンガ5選

花もて語れ
草子ブックガイド
金魚屋古書店

普段は文字の本も読まない、という方もこれらのマンガを読んだら久々に手を伸ばしてみたくなるかもしれません。様々な切り口で実在する本や読書体験を描いた、秋の夜長におすすめしたい心に沁みる名作五選!

花もて語れ片山ユキヲ

「朗読」をただ本を声に出して読むだけと思っている人は多いことでしょう。しかし、本作を読むと朗読が物語の奥底まで潜り込んで最高度に味わい尽くすことで新たな視座を生む行為だと解ります。
宮沢賢治や芥川龍之介などの有名な作品の朗読がなされますが、昔教科書で読んだ時には思いもよらなかった様々な気付きが与えられます。
熱く、純朴な人間ドラマには何度も涙を誘われました。

草子ブックガイド玉川重機

現実世界では友達もおらず居場所もないヒロイン草子にとって、本は唯一の友達。彼女は本を読む度に瑞々しい感性で感想文を記します。それこそがタイトルにもなっている「草子ブックガイド」。
草子が読むのは『ロビンソン漂流記』や『山月記』から『夏への扉』や星新一作品までと手広く、その読書体験が見せてくれる数多の宇宙を表す描写が実に秀逸です。
本を介した人と人との絆の暖かさが胸の中に舞い降り浸透して行く穏やかな心地良さを堪能して下さい。

金魚屋古書店芳崎せいむ

マンガ専門の古書店、その名も金魚屋古書店を舞台に繰り広げられる温かな人間ドラマを描く作品です。
私はこの金魚屋古書店に憧れ、そしてそこで店番をする古今東西のマンガに精通する斯波さんに憧れています。発売される雑誌は全て読み、断片的な情報から瞬時にそれが何のマンガのどのシーンか判別する。そんなマンガコンシェルジュを今後も目指したいです。
マンガに詳しくなくても楽しめる上質な物語ですが、マンガを好きだとより楽しめます。

舟を編む三浦しをん

映像化もされたベストセラー小説のコミカライズ。
辞書というと地味で堅苦しいイメージがありそうですし学校に持っていくのは重くて嫌だったという人もいそうですが、言葉の海を渡る舟たる辞書を作る人間たちにはこんなドラマがあるんだ、とイメージがガラリと変わる一冊です。
上質な人間ドラマを『昭和元禄落語心中』の雲田はるこ先生が描くことで、また一段と味わい深いが生まれています。

図書館の主篠原ウミハル

私設の児童書だけを置く図書館を舞台にした、ハートウォーミングな物語。
「俺達はコンパスみたいなもんで人の求める本の方向を示すだけだ。指し示した先に宝があるかどうかなんて行った奴にしかわからないんだ」と言いながら本を紹介する「児童書ソムリエ」御子柴には、個人的にとても共感を覚えます。
大人になると、子供でもできない限り児童書に手を出す機会は少なくなりますが、本作を読むと久々に触れてみたくなります。