青春にそれぞれの音を乗せて…。青春×音楽マンガ

少年ノート
ライアーバード
青空エール リマスター版

『のだめカンタービレ』のヒット以来、良い音楽マンガがとても増えてきました。中には読んでいて音が聞こえてくるような作品も。
そんな珠玉の音楽マンガの中でも、特に未成年の少年少女たちの青春の煌めきと共に描かれる時に熱く時に切ない作品をチョイスしました。

少年ノート鎌谷悠希

「音の中で息する男の子に私は出逢った」。
そんな叙情的で胸躍るモノローグから始まる本作は「合唱」をテーマにした物語です。
主人公ゆたかやライバルの少年が持つ天上のソプラノボイス。しかしそれは、成長とともに失われゆくもの。人生の中ではあまりに儚く、しかし鮮烈な煌きを放つ刹那の青春に全力を懸ける少年少女たちの真摯さ、瑞々しさにぎゅっと心臓を掴まれるような作品です。
心理描写と歌の表現の巧みさに浸って下さい。

ライアーバード脇田茜

こんな音の視覚的な表現もあるんだ……!と驚かされたのが、本作です。
京都を舞台に繰り広げられる、大学生の無愛想なギタリスト青年ヨタカと破天荒ながら「音が見える」という凄まじい才能を持った少女の物語。
若い二人のやり場のない感情が音楽という存在によって救われ、巡り巡って人の心を動かしていく様に感動を覚えます。3巻のライブシーンは必見です。

青空エール リマスター版河原和音

野球部の応援をするブラスバンドに憧れ、全くの未経験ながら吹奏楽の名門高に入学し、甲子園と共に吹奏楽の甲子園である普門館を目指すヒロインの物語。
野球部に所属する想い人とのピュアな関係に思わずニヤニヤしつつも、厳しい吹奏楽部の洗礼を受け心折れそうになりながらも努力を続ける姿にはスポ根マンガに負けない熱さも。
『俺物語!!』原作者のストーリーテリングをお楽しみ下さい。

青空エール リマスター版の画像

青のオーケストラ阿久井真

「素晴らしいマンガが始まった!」と初めて読んだ時に思いました。音楽、そしてボーイミーツガール。シンプルですが、素晴らしい青春の物語です。
全体的に美麗な絵で描かれているのですが、少年がヴァイオリンの演奏を初めて少女に披露するシーンのあまりの美しさに心奪われました。
まだ一巻が発売されて間もないですが、きっとこれから話題になって実写化などされていくであろう傑作ですので注目してみて下さい。

四月は君の嘘新川直司

あの『ワンピース』の尾田栄一郎先生も激賞した傑作。熱のこもった演奏シーンは、紙媒体で読んでいるのに音が聞こえてくるよう。
音楽に、人間関係に、人生に、様々な葛藤に苦しみながらも懸命に今を生きる彼らの姿に胸焦がれます。
実際に作中で演奏されている曲をBGMにしながら読むと臨場感が増してお薦めです。
今から読むのであれば、ぜひ最後の結末まで一気に駆け抜けて見届けて頂きたい作品。