人の数だけドラマがある！　デパートを舞台にしたマンガベスト5

マネキンが動いたり、一晩だけ大人に変身できたり、そんな不思議なできごともデパートの非日常感の中でなら、起きても不思議はないのかも？
今作には、とあるデパートを舞台にした、ちょっと不思議な6話のストーリーが収録されています。全編を通して伝わるのは、デパートという場所やそこにいる人々の温かさ。読み終わった後に、ゆっくり反芻したくなります。

大正ロマンが好きな人にオススメしたいのがこちら。
20世紀初頭、虚構のデパート・三紅百貨店を舞台にしたできごとが描かれているのですが、驚かされるのがディティールの細かさ。
タイルが素敵なトイレや喫茶室で使われているティーカップ、包装紙など、マンガというよりも三紅百貨店のカタログを眺めているよう。
マツオヒロミ先生の耽美な世界観を存分に堪能できます。

きらびやかなデパートが表側の表情ならば、こちらは裏側といったところでしょうか。
お客様相談室とは、その名の通り、クレームに対応する部署。ときには自宅や指定のファミレスまで出向いてお客様対応をおこないます。
お客様を立てながらも問題をしっかり解決する手法は、上司や苦手な相手など、日頃の対人関係にも応用できそうです。

恋人へのプロポーズを計画するニホンオオカミや要望を次第にエスカレートさせるカリブモンクアザラシ……。これだけ読むと何事かと思いますが、これらはみな、新人コンシェルジュ・秋乃が働く北極百貨店のお客様です。
見た目はかわいらしい動物なのに、どこか人間くさいお客様と秋乃のやりとりが、とにかく微笑ましい。秋乃の奮闘っぷりに励まされます。

デパート1階のバッグ売り場で売り上げトップを誇る青柳の悩みは、胸がないこと。そこへ配属されてきたのは、山のようなバストを持つ毬谷。
設定はふざけているものの、2人の仕事へのプロ意識の高さは、働く女性にとっては間違いなくお手本にしたい働きマンぶり。
嫌味な上司への対応も参考にしてみるといいかもしれません！