「巻数が一杯出ていると、手を出すのに尻込みしちゃう……」そんなあなたには、今回紹介するマンガをお薦めいたします!
どれもまだ2巻目が出て間もない作品。そして、世間的にはまだ注目は薄いですが読むとその世界の魅力にハマり、様々な知識も自然と身に付くおトクな作品たちです。
地方の寂れた博物館に赴任して早々、美女にカモシカの解剖を手伝うよう懇願される所から始まる物語。
博物館にいる様々な分野の専門家と彼らの研究対象である生物を描いていきます。
多種多様な生物の生態や、そのマニアである変人研究者たちによる解説は面白くためになります。
『動物のお医者さん』的テイストで、漆原教授が沢山いるような趣も。
そしてただ知識が詰まっているだけではなく、感動できるお話もあり大推薦したい作品です。
大人も子供も一緒になって楽しめる素晴らしいマンガです。
「昭和天皇!? 皇族!? すごい興味ある!」という若い女性はあまりいないと思います。
しかしながら、だからこそ一読してみて欲しいのがこの物語。激動の時代の中で、普通の民とは全く違う生き方を強いられる皇族の誕生から生きる姿を描いて行く物語。
この作品の第一話が掲載された時、とあるマンガサービスの代表をやってる方と「兎来さん『昭和天皇物語』見ました?あれヤバいですよね!」と大いに盛り上がりました。
マンガだからこそここまで描けるという側面もある作品です。
盆栽をこよなく愛する女子高生との出逢いから盆栽の道に入門するヒロインを描いた物語です。
絵はポップでかわいいですが、内容は本格的。盆栽の種類から、手入れに使う如雨露の良し悪しまでこのマンガを読むと学べてしまいます。
そして何より、自分よりも長い年月を生きた樹に対する神秘と美への畏敬の感覚に、盆栽の深淵、ひいては人間が自然に対して抱く感情とそこに惹かれる人の気持ちに触れられた気がしました。
盆栽と同時にじんわり育ちゆく女の子同士の友情も見ものです。
現実の取材を通して描かれる、現代社会の闇とも言える病んだ家族を描いていく本作。
1巻発売時から反響を呼んだセンセーショナルな内容ですが、2巻を通して描かれる違うタイプのひきこもりたちの話がまた強烈でした。
家族であることが呪縛となってしまう瞬間、死ぬことばかり想ってしまう時間。
紛れもなく身近な問題であり、今後の家族や子供たちとの関わり合い方に一石を投じる書です。決して目を背けたままではいられない現実がここにあります。