女性にオススメの最新イチオシ作品ベスト5
渋谷マンガサロン『トリガー』のマンガコンシェルジュである兎来栄寿が自信を持ってお届けしたい最新のオススメ作品5作品です。
今回は1冊だけの作品ばかりなので、普段あまりマンガを読まない方や、大長編はちょっと手を出しにくいという方もぜひ。
星の砂 雨野さやか短編集雨野さやか
雑誌で表題作の読み切りを読んだ瞬間の深い感銘を今でも強く覚えています。
「雨野さやかさん、この新人さんは応援したい……しなければならない！」
その想いを、この短編集に収録されている他の読み切りが掲載されて読むたびに強くしていきました。
2018年最注目のニューフェイスが満を持して初単行本を二冊同時発売。
こちらの短編集『星の砂』と、初の長編連載作である『なつやすみの友』。
優しい絵柄の中に、極上の美しさと切なさが凝縮されており特薦です。
おじさまと猫桜井海
Twitterで流れてきた、たった4枚の画像に泣かされそうになるほどの感動を与えられました。
何て素晴らしいマンガを描くのでしょうか。
「ぶさかわ」で人気が出たエキゾチックショートヘアのふくまるに、ある人は自分のペットを、またある人は自分自身を重ねながら読み進めることになるでしょう。
おじさまの包み込むような無限の優しさに胸の芯から温められること必至です。特に猫が大好きではないという方にも強くお薦めしたい一作。
パティシエさんとお嬢さん銀泥
こちらもTwitterで連載されて話題となっていた作品です。
パティシエのお兄さんが働く洋菓子店を舞台に、内容は正に少女マンガの王道を行くようなもの。
実はお互いにお互いを内心では好き合っている両想いモノです。
相手のことを想って赤面したり不器用になったりする、今の時代には珍しい主役二人の純朴さに和みます。
もう早く付き合って、結婚してくれないかな！と想うことしきりで良いニヤニヤが止まらない作品です。
宝石箱 小玉ユキよみきり集小玉ユキ
アニメ化・実写化もされた『坂道のアポロン』でお馴染みの小玉ユキ先生の初期から最近の作品までをまとめた短編集が出ました。
ちょっと変な人魚と青年の不思議な関係を描いた「宝石箱の人魚」は美しさもあり、人魚がある方法で頑張ってしまうシーンが個人的に大好きです。
環境が変わりゆく職場での切ない恋を描いた「泣かない女はいない」も、共感する女性は多いのではないでしょうか。
小学館ならではの誰もが知る名作のトリビュートもあり、一冊で満足感の高い短編集です。
ミステリと言う勿れ田村由美
少女マンガ史に残る金字塔の『BASARA』に続いて大傑作。
SF『7SEEDS』を完結させた田村由美先生が、新たに始めた作品がこちら。
主人公の大学生・整(ととのう)は見た目も性格も非常にクセのある青年で、様々な事件に巻き込まれる彼の独特の口上と推理が病みつきになる面白さ。
「マンガはキャラクター」とよく言われますが、田村先生はまた一人秀逸なキャラを生み出してしまったなぁと唸らざるを得ない作品です。