ヨーロッパの中等教育機関であるギムナジウムを舞台にした漫画をセレクトさせていただきましたわ。
男子がハーレムに憧れるのとはわけが違うんですの。囲まれたい、のではなく、ただただ愛でたいのです。
少年Jは、まだ年端もいかないころから、マリリン・モンローに憧れ、色気を振りまいて歌い踊っていました。
そんなJが寄宿学校に入り、成長していくに従って、怪しいまでに色気を増幅させていきます。彼に惹かれるのは、生い立ちが複雑で、胸に秘めた感情を、誰にも見せないからだと思いますの。影のあるミステリアスな美少年から目が離せませんわ。
わたくしが語るまでもありませんわね。間違いなくギムナジウム物の最高傑作が本作です。少年たちの願いや迷い、愛が繊細な描写で描かれています。トーマはなぜ死んでしまったのかは、読者によって解釈が分かれるところかと思います。
わたくしは最初は理解できなかったのですが、何度か再読するうちに、トーマが大切にしたかったものが何か、理解できるようになった気がします。
『Jの全て』の外伝です。今回の主人公はモーガンとポール。二人の友情とも恋愛とも名付けられない微妙な関係性に惹きつけられますわ。中村明日美子先生の絵が美しすぎて、絵を眺めているだけでも満足感がありますわね。
世界観が独特で素晴らしく、読み終わった後は、心の中に重しを投げ込まれたような気分で、しばらく余韻に浸ってしまいますわ。
変な人が集うと噂の寮、グリーン・ウッドで起こる日常生活を淡々と描いています。BL要素はかなり少なめで、普通の男子高校生の寮生活を垣間見ているような気分になれる一冊ですね。なんだかそれがとても心地よくて、いつまでもこの世界に浸っていたい、って思ってしまいますの。ほのぼの寮生活マンガを読みたいという方にお勧めですわ。
自分の好きな人が、お金で身体を売っていたら、あなたならどうなさいますか?
本作にはカサノヴァと揶揄されるほどの遊び人で、お金で身体を売っている男性が出てきますの。そんな男性に、辛い思いをすると分かっていながらも惹かれていく主人公の気持ちが切なくて胸にささります。好きなのに、自分の気持ちが届かず、もどかしい想いをしたことがある人なら、共感せずにはいられないはずですわ。