覚えておいて損なし!新進気鋭の才能がきらめく物語

ブルーピリオド
崖際のワルツ 椎名うみ作品集
ボクんちの幽霊

普段マンガを読まない方にこそ、2018年の今知って欲しいブランニューな描き手の作品をお教えしちゃいます。
どれも巻数も多くないので手軽に読めますし、もしかしたらこれから実写化などされていくかもしれないのでぜひ今の内にチェックしてみて下さい。

ブルーピリオド山口つばさ

当店で定期開催している新刊を持ち寄って語る会の2018年1月開催時に歴代最多の冊数が持ち込まれた作品です。
フツーにソツなく生活をしていた高校生の少年がある日突然出会った美術の世界に飛び込んで行くという内容なのですが、その未知の世界への憧れを絵で表現し切った一話がまず最高です。そして、メンターであるお婆ちゃんが超カッコいい。
周囲の暖かさと、底知れぬ才能の持ち主が集まる世界へ弛まぬ努力で飛び込んで行く主人公の姿が非常に爽快です。

崖際のワルツ 椎名うみ作品集椎名うみ

WEB上で大きな話題を呼んだ『青野くんに触りたいから死にたい』の椎名うみさんの短編集です。
「才能が、若き鮮烈な才能があふれんばかりに煌いている……!」この本を読んだ時の率直な感想です。
こういう作品は他の媒体だとあまり表には出て来辛いため、正にマンガならではの、マンガだからこそ味わえる内容です。
触れることが心地よく感じる、優しさと切なさの混じった狂気。今後も目が離せない作家です。

ボクんちの幽霊笠原千鶴

この一冊の短編集を読んだことで、今後笠原千鶴さんが描いた物は全て追うと決めました。
どのお話も読んで幸せになれて、2017年の年の瀬に素晴らしい新人に出会えた喜びで一杯でした。
設定的には背徳感があるにも関わらず、切なく堪らない気持ちにさせてくれる物語構成や演出力。
動と静の内で、静の描き方に光るものを感じる辺りが新人離れしています。
今後注目しておいて間違いのない方です。

我らコンタクティ森田るい

「宇宙人に映画を見せるために、ロケットを打ち上げる」。
何を言ってるのかわからないと思いますし、それを初めて聞いた時のヒロインも大いに「何言ってんだこいつ」となりました。
しかし、そんなパッと聞いて意味不明なことに全力で取り組む主人公二人の法律や常識なんて知るか、もっと大切なものがあるんだ!と突き進んでいくロックな姿勢が最高に気持ち良いマンガです。

うたかたダイアログ稲井カオル

少女マンガにおけるラブコメですと、昨年でも一、二を争うオススメ作品です。
ドラッグストアでゆるい掛け合いを延々としているだけ。
それだけなのですが、セリフのセンスに切れ味があり随所で笑えて幸せな気分になれます。
もう、この片野くんと宇多川さんの二人の他愛もないやり取りを永遠に眺めていたい。
そんな気分にさせてくれるマンガですが、欲を言えば稲井カオルさんの他の作品も色々と見てみたいです。