現実ではありえない設定でも、どこかリアルで胸が締め付けられる。秀逸な作品を多く生み出してきた、原作者の金城宗幸先生。
今回は先生の大ファンであり、全ての作品に目を通してきた私が、世界観をとことん味わえる作品をご紹介。
高校生と政治家とヤクザ。一見、まったく関係性がないように見えますが、実は彼らにはある共通の目的があったのです。それが「この街のどこかに眠る30億円を見つけ出す」ということ。
テンポ良く進むストーリー展開と、一歩先すら読めない予想外の展開の数々。さらには読み進めるほどに嫌と言うほど思い知らされるお金の怖さ。「お金は時に人をここまで変えてしまうのだ」という事実を改めて深く考えさせられる作品です。
そこそこの人生を望んでいた主人公がとある爆破事件をきっかけに、そこそこの人生を失ってしまう。そんな衝撃展開から始まる本作品では「結局そこそこの幸せって何だろう」ということを深く考えさせられます。
実際、平凡な日常が続くと、「自分の人生は果たしてこのままで良いのか」と疑問が生まれるときもあります。でも多分、この平凡な今が一番幸せなのだと。そう言い聞かせ、私は今日もそこそこの人生を歩んでいます。
別れ際に口にする「またね」という一言。しかし必ずしも、その「またね」のときがやってくるという保証はどこにもありません。
そんな当たり前でありながら忘れがちなことを教えてくれるのが、この『神さまの言うとおり』。突然、生き残りをかけた理不尽なデスゲームに巻き込まれた主人公とその仲間たち。
続く心理戦にハラハラドキドキさせられながらも、改めて生きることの意味について考えさせられます。
おそらく誰もが一度は考えたことがあるであろう「もし透明人間になれたら」という夢物語。『インビジブル・ジョー』の主人公はまさしく、そんな人類の憧れでもある透明人間になれる能力を持った少年。
そして自分同様、様々な超特異体質を持つ能力者との戦いに挑んでいくのですが、その理由は「好きな女の子を守りたいから」。その少年らしい純粋さと戦いになると冷静な判断力を見せるギャップに思わず虜になってしまいます。