あーあ。なんで私って姫じゃないんだろ。なんで私って貴族じゃないんだろう。残念すぎる。でもこのマンガを読んでるときだけは、姫や貴族になれるんです。
一時間だけの姫体験。至高! 現実に戻りたくない……。
没落した貧乏貴族の娘ナターリアは、幼いころに出会った詩人のプーシキンから熱烈に求愛されます。
ナターリアに求愛する相手が詩人ってところがいいんですよね。詩を引用して口説くなど、ロマンティックな気分にさせてくれます。
「彼女のためなら誓って命も投げ出す覚悟なのです」と激しい恋心を抱くプーシキンとは裏腹に、ナターリアの気持ちが変化していく様子を見ていると、恋愛の儚さを見せつけられる思いで切なくなりました。
王宮でも通用するマナーや振る舞いを教え込まれ、完璧なレディーになるために修行する田舎娘、と聞くと『マイ・フェア・レディ』や『プリティ・ウーマン』を思い浮かべる人も多いでしょう。
本作がそれらの「紳士からレディー教育を受けて美しい女性へと成長していく物語」と一線を画しているのは、その紳士が、女装している男性だということです。
美しい女装男子とヒロインの関係性にドキドキします。
ヨーロッパの上流階級のお遊びのような恋愛遊戯が華やかに描かれています。男か女かわからない少年のような体系の女性や、やけに色気のある金髪の中年男性など、出てくるキャラクターがことごとく色気を放っています。
屋敷の内装や家具が豪華で、背景の書き込みをみているだけでも楽しめる、現実逃避にはうってつけの一作です。
世界的美術泥棒で、美青年で、男色家の主人公が、たまに女装もしてくれちゃう作品です。どんだけサービス精神満載なんですか青池保子先生!
美しいものや、ヨーロッパ、BLにほのかな憧れを抱く乙女を狙いうちした壮大なエンターテイメント作品です。ちょっと女が苦手って設定も、「分かってらっしゃる」の一言です。現実逃避にうってつけの一作です。
平安時代の貴族社会を舞台に、おてんばなお姫様・瑠璃姫の恋愛事情を描いています。
平安時代の文化や、衣装、調度品、政治などが具体的に描かれているので、歴女にもお勧めできる一作です。私はこの作品をきっかけに日本史に興味が持てるようになりました。
瑠璃姫の元気いっぱいでまっすぐな性格がザ・ヒロインという感じで魅力的。ずっと見ていたくなります。